令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書
厚生労働省より、「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」が公表されましたので、まとめてみます。
不支給は増えたのか?
令和5年度の8.4%から、令和6年度の13.0%に増加していることが、1000件のサンプル調査により判明しました。
精神障害については令和5年度の6.4%から、令和6年度の12.1%に倍増していました。

なぜ増えたのか?
精神障害について、ガイドラインや障害等級の目安が定められていますが、目安より厳しい判定がされ不支給になっていました。
※44.7%(R5) → 75.3%(R6)
障害等級の目安では2級なのに、不支給決定となったケースなどです。

えらいさんの「厳しくしろ」という指示はなかったということですが。。。
なぜ厳しい判定が増えたのか、根本の原因は示されませんでした。

結局不支給増加の原因は何なのか不明です。
職員が事前等級案を厳しく示していたことがわかりましたが、なぜそうしたのか?
症状の軽い請求が増えたことも原因なのか?
今後はどうなるのか?
調査結果では、「大きな問題はなかった・審査は概ね妥当」としていることから、 改善されるかは不透明であり、引き続き高い不支給率が継続となる可能性があります。
今後は認定審査委員会への外部の方の参加や、審査体制の見直しを行うとされましたが。。。
更新時の状況は?
更新については、令和5年度の支給停止割合1.1%、令和6年度の1.0%であり、ほぼ変化がありませんでした。
この点は安心です。


資料




令和7年7月19日調査報告(厚生労働省)
厚生労働省は令和7年7月19日、再審査の結果を公表しました。
第80回社会保障審議会年金事業管理部会に資料を提出しました。
公表された結果のポイントをまとめます。
不支給のうち、4・3%を支給に変更
対象件数が約1万1000件あります。
これまでに精神障害の2895件の確認を終え、うち124件(4・3%)について、当初の判断を取り消し支給を決定することにしました。


今後残りの約8000件の再審査を年内に行う予定とのことです。
そうすると、今後約350件が支給決定に変更される見込みとなっています
11000件-2895件=8105件(残り)
8105件×4.3%=348.5件≒350件
なんだか変!?
これが厚生労働省の見解らしいです(ニュース報道より)
なんともわかりにくい。。。
要約すると、「判定を厳しくすべきというリーダーの考えのもと、厳しい判定を行ったが、思ったより世間の批判が強く、原因はなんとかうやむやにして謝罪は回避、不支給を取り消したからこれでいいでしょ」という感じですかね。
この流れでいけば、今後の不支給率は少しは減少しそうです。
(補足)却下について
報道記事の中で『書類不備などによる「却下」を含めると』とありました。
この却下とは、初診証明が取れない、認定日請求であるが、認定日時点の診断書ではない(無理やり請求)、認定日時点の診断書の内容がスカスカなど、程度の審査を行う前の段階で、ダメとされたものです。
件数は少ないはずです。
